- アーティスト: Blur
- 出版社/メーカー: Food
- 発売日: 2003/05/05
- メディア: CD
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曲は良く練り上げられた素晴らしいモノばかりだ。②や③といったシングル系の曲はホントに上手。特に②は2000年代のブラーを代表する曲になるだろう。駄曲だらけだった「13」やゴリラズに比べると、デーモンが復調した感じを抱く。
けれど、このアレンジをどう捉えるかが今作を好きになるかならないかのポイントじゃないか。間違いなくロックぽくないアルバム。緊張感が皆無(②にはかろうじて感じるけど)だということ。そのため、リピートにしてずっと聴いていても別に疲れたりしないのだが、あまり残るものが無い。バンドとしてのブラーの存在感もほとんど残ってはいない。グレアム・コクソンが参加していないことで、ビートルズ解散後のポール・マッカートニーの作品のような緩さが全編に漂っていることは否めない。
しかし、「グレアム」「バンド」「ブリット・ポップ」といったかつてのブラーに付随した要素をアタマの中で取り除いて、先入観無しでアルバムを聴くと*1、圧倒的に優れたポップ性を持つ、素晴らしい作品と認めざるを得ない。リズムとメロディーが、下世話にならず、他に比べようがないぐらい高いレベルで調和している。ブラーのキャリア中で最も音楽的に優れた作品。
デーモンは天才とは思わないが、凄い努力している人間だと思う。負けず嫌いなんだと思う。あまり好きな感じの人間ではなかったが、このアルバムを聴いて「すげえヤツだな」と思った。
僕は2003年のモスト・フェイヴァリットな作品にコレを選んだ。