solid bond

never a dull moment

王の帰還

三部作最後の作品。小学校の頃にかなりのめり込んだ作品だったんで、これで映像化が終わりかと思うと寂しい。三つとも映画館でみたが、これは絶対大画面で楽しむべき作品だ。絵が細かい所まで凄く凝っている。

映像は申し分無い。リブ・タイラー以外の配役にも文句をつける所は無い。田中達也似のフロドは、徐々に主人公ぽく無くなっていく役をしっかり演じたと思う。

ただ、戦争の場面についてはけっこう気になった。やたらと好戦的なガンダルフアラゴルン。ブッシュと被る。圧倒的なオークの軍に勝機を見出せないまま突っ込む姿は、00年代においてはいろんなものと重ね合わせてしまい、純粋に楽しめない。昔アメリカでは「ガンダルフを大統領に」という運動が盛り上がったりしたが、やばいよ、ソレは。また、白人しかでてこないんだよね、そりゃそうなんだけど。種の争いという部分で、どういう解釈を諸外国でされているのかが気になるところ。

娯楽映画なんだからもっと純粋に映画を楽しむべき?しかし「指輪物語」は神話の無いアメリカ人にとってはそれに替わるものとして捉えられてた時もあるぐらい重要な作品。アメリカのビッグ資本と作品の高貴さをどうバランスとるかと思ってたが2作目以降はその辺が少し微妙か。

ウダウダ横線にそれた考え方をしなければ、泣ける瞬間はたくさんあった。サム、原作ではもっと阿呆な感じだったけど映画では勇気あるスーパースターで、フロドとの絡みは凄く良かった。キャラの描き方も人間味溢れていて良かったと思う。指輪を捨てるシーンは、映画ではもっと自分の意思で捨てると思った。綺麗に描くと思ったが、欲望と闘う人間の葛藤はそんなに容易いものではない事をしっかり描いていて良かった。

ボックスセットが出て、早くまとめて作品を楽しみたい。いろいろ伏線が理解できて、もっと楽しめるようになるだろう。

当面ここまでの大作はないんじゃないかな。感動しました。