solid bond

never a dull moment

2007年俺アウォーズ

激動の2007年もついに終わりだ。今年の俺音楽について振り返りたいと思う。

なお、フラテリスは去年輸入盤で選出したので今年は選考にいれていません。
ちなみに去年の俺アウォーズ(2006)。右側のteraoTVでベストソングのクリップが見れるので、BGMがわりにしながらお付き合いください。

  • ベストライヴ

今年は該当なし。一番楽しみにしてたダミアン・ライスに肩透かしを食らったのが相当痛かった。
今年参加したフェスは忍野デッドフジロック朝霧JAMと近年稀に見る少なさ。御子ができたからね。忍野はライヴがどうのこうの関係なくよかった。フジは天気も良く最高のシチュエーションだったがライヴに関してはあまり記憶にない。アッシュが良かったか。後は飲んでた記憶が大部分。朝霧は正直子供が生まれたばかりでありけっこううわの空で参加していた感じがする。メンツが小粒だったな。環境は抜群だったけど。

  • 今年の旧盤

今年はアホみたいにスライを聴いた。代表作といわれる暴動フレッシュの圧倒的なクールネスに仰天した。今年最強の静脈レコード。ペットサウンズ並の彼岸アルバムとして評価するべきだ。他にはry cooder、morphine、primasあたりを良く聴いた。特にmorphineはかっこよかった。

  • ベストソング(順不同)

http://rimo.tv/#/ja/ch/12702
80s Life / The Good, the Bad & the Queen
デーモン・アルバーンの王道メロディーに完敗。元クラッシュのヒトもいい感じのベースで貢献している。バンドのルックスも格好いい。デーモンもしっかりチェンジングマンしているあたりが泣ける。
rehab / amy winehouse
言う事ねえだろう。迫力抜群のディーバ。
I Still Remember / bloc party
あまり話題にならなかったブロックパーティーのセカンド。でもこの曲は良かったと思う。U2みたいだけどU2程嫌味じゃない。もっと売れて欲しかった。
Jacqueline / coral
60年代的、あるいは歌謡曲的なメロディーが懐かしいこの曲、名曲揃いのアルバムの中でも際立っていたと思う。
Suburban Knights / hard-fi
今年一番期待されていたバンドだと思う。この曲あたりはかなりかっこいい(クリップも相当かっこいい)のだが、アルバムは演歌方向に流れすぎて失速した感じ。勿体無い。
thinking about you / norah jones
曲、ウタ、アレンジ、ルックス。全て揃った女性アーティスト。ジャズにカテゴライズされるのが良くわからん。普通にポップスでありロックだと思う。もっと評価されていいと思う。凄く何回も聴いた曲でそのたびに感動した。
australia / the shins
インディらしいヌルさを良いと思えるかが評価の分かれ目のような気がする。アルバム一枚の評価はやはりヌルさが邪魔をするがこの曲は完璧なポップスで綺麗にまとまっている。
黄金の緑 / UA
今年邦楽で何度も聴いたのはUAだけ。特にこの曲はズバ抜けていた。「僕らの音楽」での演奏は圧倒的だった。また山梨で小規模ライヴをしてほしい。朝霧での演奏は微妙だった。時間帯が悪かった気がする。コーネリアスとチェンジだったら・・・。
daddy's gone / glasvegas
情報がないけど、このバンドのこの曲は凄く良いと思った。何回も聴いた。グラスゴーのバンドらしいがアメリカ的なメロディー。まあよくわからんが、とにかく曲は良かった。
Brianstorm / arcticmonkeys
新世代のジャムだと思う。ただしメロディーが書けない。アルバム全体としては1STに続きいまいちで内容と評価が一致していないと思う。しかし、このシングルは圧倒的なパワーでアタマから押し込まれる。俺らはただ降参するしかない。やたら瞬発力のある曲。この中で順位をつけるならおそらく1位だと思われる。何度もいうがアルバムはイマイチ。そのあたりもジャムっぽい。

  • ベストアルバム

10位

Some Loud Thunder

Some Loud Thunder

  • アーティスト:Clap Your Hands Say Yeah
  • 出版社/メーカー: Clap Your Hands Say
  • 発売日: 2007/01/30
  • メディア: CD
正直微妙だな、と聴き始め当初は思った。しかし聴き込むにつれスルメのように素晴らしさが滲みでてきた。ノイズ交じりの一曲目からハズレ曲無し。ハイプじゃない。壊れかけだからこその純な魂を感じる綺麗な音だ。
9位
Back to Black

Back to Black

  • アーティスト:Amy Winehouse
  • 出版社/メーカー: Republic
  • 発売日: 2007/03/13
  • メディア: CD
声のインパクトが凄い。そして凄くモッズっぽい。ウェラーが贔屓するのも凄く納得。誰にでもわかるポップスなのに凄くヒップでクールな感じがする。回顧主義と言われようが、結局かっこいいものはどの時代でもかっこいんだ。rehabのインパクトは凄かった。AMラジオで鳴ってもしっかり機能していた。ライヴを見てみたい。
8位
Cassadaga

Cassadaga

  • アーティスト:Bright Eyes
  • 出版社/メーカー: Saddle Creek
  • 発売日: 2007/04/10
  • メディア: CD
当初の血を吐き続けてるかのようなインパクトは無くなったが、ポップでメロディアスでアレンジも良い非常にバランスが取れた傑作だ。日常の中で鳴る音楽として十分機能してきているのも進化だろう。強くなった。まさかここまで聴きやすい音楽になるとは思わなかった。今後も楽しみだ。
7位
My Name Is Buddy

My Name Is Buddy

  • アーティスト:Ry Cooder
  • 出版社/メーカー: Nonesuch
  • 発売日: 2007/03/06
  • メディア: CD
主役がネコのコンセプトアルバム。ベテランの大傑作アルバム。凄く素朴なサウンドなのだが、まるで映画を見ているような奥行きがある。いろんな旨味も凝縮。そこらへんの若手には決して鳴らせない音だ。このアルバムの影響もあり「チキン・・・・」あたりもかなり良く聴いた。ライ・クーダー再評価。
6位
Sky Blue Sky

Sky Blue Sky

  • アーティスト:Wilco
  • 出版社/メーカー: Nonesuch
  • 発売日: 2007/05/15
  • メディア: CD
近作は繊細な音作りが光ったウィルコ。新作はエキセントリックな部分は控えめとなり、メロディが非常に立つ一枚になった。退化だ、と見る向きもあったが、俺はサウンドよりジェフのヴォーカルとかメロディーが好きでウィルコを聴いていたから、この路線は大歓迎だ。とにかく良く聴いた。ジェフのヴォーカルは、相変わらずグランジ直系の切なさを内包していて堪らない。やたらピュアでナイーヴな感じ。
5位
Hey Venus! [輸入盤CD] (RTRADCD346)

Hey Venus! [輸入盤CD] (RTRADCD346)

  • アーティスト:Super Furry Animals
  • 出版社/メーカー: ROUGH TRADE
  • 発売日: 2009/11/02
  • メディア: CD
ここのところ地味なアルバムが続いたSFA。俺は大好きだったけど。ジャケのキャラが大きく変わったこの作品、心機一転という意識はきっとあったと思う。1STや2NDのハイパーアッパーな感じが復活し、ここ数作のメロディアスなレイドバック嗜好とうまく溶け合っている。コンパクトな曲が多く、アルバム一枚集中して聴けるのも良かった。まさかここまで息の長いバンドになるとは思っていなかったよホント。クラブでSomething 4 The Weekendが流れて、皆で手を振っていたあの頃が懐かしい。
4位
9

9

何度も書くがこいつがフジロックをドタキャンしたことが今年最大の誤算。繊細で美しいメロディーをかける人間は何かが大きく欠如していることが多いが、きっとこいつもそうなんだろう。ホンモノのダメ人間、極道の音楽。ある意味エリオット・スミスより性質が悪そうな感じがする。鳴った瞬間部屋の雰囲気を変える音。前作より性的。艶かしくて感情的でダメ人間爆発で・・・。ロックだ。フジロック来てたら今年のベストだったかもな。ちなみに海外では06年発売のアルバムです。
3位
In Rainbows[輸入盤CD](XLCD324)

In Rainbows[輸入盤CD](XLCD324)

販売方法で話題になったが正直ソレはどっちでもいい。今年の流行り言葉をあえてここに残しておくなら「そんなの関係ねえ」。どうせCD買うからさ。作品として凄く良かったと思う。前作とトムのソロがいまいちだっただけに、レディオヘッドというバンドの底力を思い知らされた感じ。レディオヘッドというバンドが求められるモノと、アーティストとしてのプライドみたいなものバランスがうまく取れている感じ。普通に傑作。それって凄い。nudeもようやく作品化された。CDで聴いたほうが数倍良い。レディオヘッドはやっぱり凄かった。
2位
Mirrored (WARPCD156)

Mirrored (WARPCD156)

  • アーティスト:Battles
  • 出版社/メーカー: WARP RECORDS
  • 発売日: 2007/05/22
  • メディア: CD
聴いていると体中の血管がぐっと開いて血がドバっと流れて目が醒める。今年一番サウンドにノックアウトされたバンド。フジロックは3日目の出演だったので見れなかった。嗚呼。ライヴはもっとすげえんだろうなあ。基本的には往年のプログレをキレのある90年代以降のパキパキした音で音圧上げて演奏している感じ。全体として感傷的でメロディアスな雰囲気が漂っているのが大きく支持された理由だと思う。
1位
Good the Bad & The Queen

Good the Bad & The Queen

ブラーのデーモン、クラッシュやヴァーヴのメンバー、フェラ・クティのトニー・アレンによるスーパーユニットの傑作。って説明をしなければならないほど話題にならなかった作品だが、久々にブリット節が大復活し俺的には大満足。特に「80s Life」「Northern Whale」あたりは最高だ。デーモン・アルバーン、あんたこそキング。俺の年齢にあった作品だったと思う。例えば20歳の若者、あるいは45歳の支店長にこのアルバムの良さを説明してもさっぱりわからんと思う。今年を象徴した作品じゃないけどさ。そういうアルバムは無かった1年だったな。

  • 新人賞

glasvegas
daddy's gone一曲でノックアウト。コレは相当素晴らしいメロディーを持った曲だ。アランマッギーご推薦バンド(今までいくつのバンドが彼のお墨付きを貰って消えて行っただろう。)08年の飛躍を期待する。他、the national,the view,simian mobile discoジャスティスあたりが良かった。

  • 総評

今年は子供が生まれたこともあり、フェスの参加は控え目・音楽も爆音で聴くことが少なくなった。CDも例年以上に買うアイテムを限定した。しかし、napstertsutayaのキャンペーンなどを利用して、音楽を聴く量は非常に増えたと思う。そういう状態だと、やはり音の感覚が重要となってくる。いちいち精神論まで踏み入った聞き方なんてしない。まず音のかっこよさありき。
その中でも、1位のGBAQはシンプルながら凄く凝った音作りになっていて、とてもよかった。レディオヘッドの底力にも驚いた。バトルズとかエイミーの音にもたまげた。良いCDが多かったと思う。
ただ、新しいバンドがあまり面白くない。パワーコードで誰でも作れるような歌を得意げに鳴らしているバンドが多すぎる。アークティック・モンキーズのセカンドはその中では凄く進歩をかんじて良かったと思う。若手の中でも、ダンスっぽいものには良いものがあったが、ニューレイヴとかすげえくだらねえと思った。

07年は凄く良い年だった。08年にも期待したいと思う。