solid bond

never a dull moment

Road to Rouen / Supergrass

Road to Rouen

Road to Rouen

すっかり頭髪も薄くなりベテランの域に達しつつあるスーパーグラス。玄人好みするバンドに成長した。しかし、ここ数年の活動には少し物足りなさを感じている。バンドの方向性がはっきりせず、器用貧乏的な作品が多かった。特に前作。旨いアルバムを作るんだが、「あのアルバムをもう一度聴いてみよう」って思わせるだけのインパクトに欠けていた。バンドの個性もアルバムの統一されたイメージも形として伝わってこなかった。

新作は非常に的を絞り込んだ感じに仕上がった。ベストアルバムを間に挟んだことで、リフレッシュし次のモードへ移ることができたんだろう。洗練されたロックアルバム。達者なドラムとベースによるリズムはタイト、ウネリが気持ちよい。元々セクシーだったギャズの歌声はより艶を増していて、バンドが成熟の域に入ったことを感じさせる。これから10年のバンドの方向性が見えてくる。

ただ、楽しいかと言われるとどうだろう。余裕綽々に無駄なフレーズを弾いている感じがする。1STから3RDにあったロックを骨の髄まで楽しんでいる雰囲気が無い。外見は非常に整っているが、中身がかなり薄い。ロック的な感じがしない。魂が無い・・・長くやっているバンドにそれは求められないのかな。AORみたいな感じ。