solid bond

never a dull moment

weezer / make believe

Make Believe (Jewl)

Make Believe (Jewl)

僕の青春時代である90年代後半に活躍していたバンドは、ほとんどがそのピーク時に作品を越えられずに低迷している感がある。weezerもその中のひとつ。1ST、2NDの亡霊に苦しめられている。

プロデューサーに大物リック・ルービンを迎え、精神構造まで弄られて作られた「売りたい」5thアルバム。曲の質が高く、ここ数年のキレの悪さがウソのような名曲のオンパレードになっている。一緒に歌える曲が沢山入っているのも嬉しい。①やようやく発表された超名曲④がサマソニで演奏鳴らされる瞬間が今から凄く楽しみだ。

有能なプロデューサーを置いたことで、客観視され、バランスのとれたweezerがしっかり「作られて」いる。ここにあるのは高機能な商品だ。今更weezerに「泣き虫ロック」等の形容詞はいらないだろう。しかし、商品としての胡散臭さを越えて心に迫るメロディーが戻ってきたことに、僕は拍手を送りたい。全てのマイナスな状況を、素晴らしいメロディーが、美しく切なく染めきってしまう。僕はそれで満足だし、敬意を集めるに相応しいアルバムだと思う。